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プロンプトの書き方:仕事で生成AIに伝わる指示の5つの型と例文

この記事の要点

  • 生成AIへの指示文(プロンプト)は、「役割・目的・材料・条件・出力の形」の5つの型で書くと、欲しい答えが返ってきやすくなります。
  • 一度で完璧を目指す必要はありません。出てきた答えを見て指示を足しながら詰め、うまくいった指示文は保存して社内で使い回します。
  • この記事では、仕事の場面ごとの悪い例と良い例の比較と、そのまま使える指示文のひな形を紹介します。

プロンプトとは:新しく来た担当者への頼み方と同じ

プロンプトとは、ChatGPT・Gemini・Claude・Copilot などの生成AIに入力する指示文のことです。同じAIでも、指示の書き方ひとつで、返ってくる答えの質は大きく変わります。

生成AIは、あなたの会社の事情も、文章を読む相手も、仕事の目的も知りません。Anthropic の手引きでは、AIを、優秀だけれど会社のやり方を知らない新入社員のように考えるよう勧めています。新しく来た担当者に仕事を頼むときに伝えることを、そのまま書けばよいのです。

各社の公式の手引きも、指示に入れる要素をほぼ同じように挙げています。Google は「ペルソナ・タスク・背景情報・形式」、Microsoft は「目標・コンテキスト・期待値・ソース」の4つです。この記事では、仕事で使いやすいように、これを5つの型に整理します。

5つの型:役割・目的・材料・条件・出力の形

型書くこと例
役割どんな立場で答えてほしいかあなたは総務の担当者です
目的何を、誰のために、何に使うか新入社員向けに、経費精算の手順の説明文を作ってください
材料答えのもとになる情報や資料社内の経費精算の決まりを貼り付ける
条件守ってほしい決まり(長さ・言葉づかい・してはいけないこと)400字以内、専門用語は使わない、決まりに無いことは書かない
出力の形どんな形で出してほしいか手順は番号付きの箇条書き、最後に問い合わせ先を1行

5つすべてを毎回書く必要はありません。Microsoft の手引きも、必ず要るのは明確な目標で、ほかの部分は必要に応じて足せばよいとしています。まずは目的をはっきり書き、答えがずれたら残りの型を足していきます。

中でも効き目が大きいのは、次の2つです。

  • 材料:社内の決まりや数字が関わる仕事では、元の資料を貼り付けます。AIは、渡されていない情報を推測で補い、もっともらしい誤りを書くことがあるからです。
  • 条件:「わかりやすく」より「専門用語を使わない」「1文を40字以内にする」のように、あとで確かめられる形で書きます。決まりが複数あるときは箇条書きにします。

悪い例と良い例

同じ仕事でも、型を足すだけで答えが変わります。

悪い例良い例足した型
お詫びのメールを書いて取引先に、納品が3日遅れるお詫びのメールを書いてください。原因は部品の入荷の遅れで、新しい納期は10月10日です。言い訳がましくならないよう、丁寧に300字以内で。目的・材料・条件
この議事録を要約して次の議事録から「決まったこと」「宿題(担当者と期限)」「次回までに確かめること」を、見出しを付けて箇条書きで出してください。書かれていないことは補わないでください。出力の形・条件
もっと良くして次の案内文を、ご高齢のお客様にも読みやすく直してください。1文を短くし、カタカナ語は言い換えてください。直した箇所も一覧で示してください。目的・条件・出力の形
販促のアイデアを出してあなたは飲食店の販促に詳しい担当者です。平日の昼の来店を増やす販促のアイデアを10個出してください。費用は月5万円以内です。それぞれに手間の大きさ(小・中・大)を添えてください。役割・条件・出力の形

悪い例は、どれも「何のために」「どこまで」が書かれていません。AIはそこを推測で埋めるため、誰にでも当てはまる無難な答えになりがちです。

一度で決めず、直しながら詰める

最初の答えは「たたき台」と考えます。Google の手引きは会話を続けながら指示を足していくこと、OpenAI の手引きは答えを見て指示を改善していくことを勧めています。

  1. 5つの型で、最初の指示を出します。
  2. 答えを読み、ずれている点を1つずつ具体的に伝えます。
  3. 形をそろえたいときは、お手本の文を見せます。
  4. うまくいったら、直した点を最初の指示文に書き足して保存します。

直すときの指示は、次のように具体的に書きます。

こんなときは追加する指示の例
長すぎる200字以内にまとめ直してください
かたすぎる社内向けなので、もう少しやわらかい言葉づかいにしてください
内容が足りない費用の観点が抜けています。費用についても書いてください
形がばらばら次のお手本と同じ形にそろえてください(お手本を貼る)
事実が怪しい根拠にした箇所を、渡した資料から引用して示してください

同じ指示文でも、AIの答えは毎回少しずつ変わります(Microsoft の手引きにも書かれています)。だからこそ、うまくいった指示文を保存して社内で共有しておくと、人による出来のばらつきが減ります。

当社の例:小さなAIほど「決まりの箇条書き」が効く

当社は、社内のサーバーで Google のAIモデル「Gemma 4 12B」を動かし、自社サービスのAIホームページ・LP作成ツール「Asura」で「ローカルAI」の選択肢として使っています。

12Bクラスの比較的小さなモデルは、大きなクラウドのAIのように気を利かせてはくれません。そこで、守ってほしい決まりを箇条書きで具体的に渡すようにしたところ、品質が大きく上がりました。また、ページを一から作らせるより、用意した部品の中から選ばせるほうが安定しました。

ここから言えるのは、次の2つです。

  • 「いい感じに」を期待しない:守ってほしいことは言葉にして、箇条書きで渡します。
  • 自由に作らせるより、選ばせる:選択肢やお手本を渡すと、答えのぶれが小さくなります。

この書き方は、大きなAIでも役に立ちます。各社の手引きも具体的に書くことを勧めており、Anthropic は、手順の順番が大事なときは番号付きの箇条書きにするよう勧めています。サーバーの構成や速さは、ローカルLLMに必要なスペックと速度・電気代を実測で紹介しています。

そのまま使える指示文のひな形

( )の中を仕事に合わせて書き換えて使ってください。使わない項目は消してかまいません。

【役割】 あなたは(例:中小企業の総務担当者)です。
【目的】 (例:社内のお知らせ文)を作ってください。読むのは(例:全社員)で、(例:年末の大掃除の段取りを伝える)ために使います。
【材料】 次の資料をもとにしてください。資料に書かれていないことは推測で補わず、「資料に記載なし」と書いてください。
(ここに資料を貼り付ける)
【条件】

  • (例:400字以内)
  • (例:です・ます調で、専門用語は使わない)
  • (例:日付・金額・人名は資料のとおりに書き、変えない)

【出力の形】 (例:見出しを1つ付け、手順は番号付きの箇条書きにする)
足りない情報があれば、書き始める前に質問してください。

最後の「質問してください」の1行を入れておくと、AIが足りない情報を推測で埋めずに、聞き返してくれることがあります。材料の行にある「資料に記載なし」の決まりとあわせて、もっともらしい誤りを減らす工夫です。

使う前に確かめること

  • 入力してよい情報か:社外秘や個人情報を貼り付ける前に、使っているサービスとプランで入力してよいかを確かめます。各社の違いはChatGPTなど生成AIに社外秘を入力してよいかで整理しています。
  • 答えは人が確かめる:数字・日付・固有名詞は、元の資料と突き合わせます。
  • 社内で配るなら、ルールも一緒に:ひな形を配るときは、使ってよいサービスや入力してよい情報もあわせて決めておきます。生成AIの社内ルールの作り方にひな形があります。

まとめ

  • 指示文は「役割・目的・材料・条件・出力の形」の5つの型で書くと、欲しい答えに近づきます。まずは目的をはっきり書くことから始めます。
  • 一度で決めず、答えを見て具体的に直しながら詰めます。うまくいった指示文は保存して共有します。
  • 決まりは箇条書きで具体的に渡します。小さなAIほど、この書き方が効きます。

当社では、生成AIを業務に定着させるための伴走や、社員向けのAI研修・セミナーを行っています。「社員によって使いこなし方に差がある」という段階から、お気軽にご相談ください。詳しくはAI活用支援のページをご覧ください。

参考

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