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生成AIで長い資料・PDFを要約する:読み違いを防ぐ指示と確かめ方

この記事の要点

  • 要約を頼むときは、「何のための要約か」と「誰が読むか」を伝えます。AIが、残すべき内容を選びやすくなります。
  • 長い資料は章ごとに分けて頼み、最後に全体をまとめさせます。抜けや読み違いを見つけやすくなります。
  • 要約には、数字や固有名詞の誤り、意味が変わる言い換えが起こります。大事な箇所は必ず原文と突き合わせます。

要約の前に伝える2つのこと:目的と読み手

同じ資料でも、読む人と目的によって、残すべき内容は変わります。「要約して」とだけ頼むと、AIは何を残せばよいか分からず、当たり障りのない要約になりがちです。

読み手知りたいこと指示に書く例
社長・上司判断に要る点、費用、危うい点導入するかを決めるための要点を
現場の担当者自分がやること、期限、手順の変わる点担当者がやることと期限を
お客様自分に関係する変更点専門用語を使わず、お客様に関係する点だけを

目的と読み手を入れた指示文の例です。

次の資料を要約してください。

■目的:来週の会議で、導入するか決める
■読み手:社長(技術には詳しくない)
■形:3行の要点と、費用・期間・注意点の表

■守ること
・資料に無いことは書かない
・数字と固有名詞は資料のまま書く
・要点ごとに、元のページ番号を書く
・意見が分かれる点は、両方を書く

■資料
(ここに貼り付けるか、ファイルを添える)

「元のページ番号を書く」は、後で確かめるための工夫です。どの要点がどこから来たかが分かれば、原文を開いて照らす時間が短くなります。資料に印刷されたページ番号と、PDFを開いたときのページ番号はずれることがあるので、どちらの番号かも指定しておきます。

形の選び方:3行の要点・箇条書き・表・反対意見の抜き出し

形向いている場面指示の例
3行の要点忙しい人への報告、全体をつかむ一番大事な点を3行で
箇条書き手順や変更点の一覧変更点を、変更前と変更後を並べて箇条書きで
表複数の案・製品・条件を比べる案ごとに、費用・期間・注意点を表に
反対意見の抜き出し判断や会議の前資料の中の反対意見や懸念を、そのまま抜き出して

要約は短くするほど、少数の意見や但し書きが削られやすくなります。判断に使う要約では、反対意見や懸念の抜き出しを別に頼むと、見落としを防げます。1つの資料に、形を変えて2回頼むのも有効です。

長い資料は章ごとに分けて頼む

AIが一度に扱える文章の長さには上限があり、トークン(AIが文章を扱う単位)で数えます。当社の社内サーバーでは、この上限を約6万5千トークンに設定しています。日本語は、およそ1.8字で1トークンでした。上限はサービスやモデルによって違い、Anthropic の公式ヘルプも、大きなファイルは上限に収まるよう小さく分けることを勧めています。

上限に収まる資料でも、一度に短くまとめると、細かい条件や例外が落ちやすくなります。次の手順で進めます。

  1. 目次を見て、章や節の区切りで分けます。
  2. 各章を、同じ指示文で要約させます。ページ番号も書かせます。
  3. 章ごとの要約を集めて、最後に全体のまとめを頼みます。
  4. 全体のまとめに、章ごとの要約に無い内容が入っていないかを確かめます。

図や表、スキャンした資料は、読めているかを先に確かめる

ChatGPT・Claude・Gemini などの生成AIは、PDFなどのファイルを読み込ませて要約させられます。ただし、図や画像の中身まで読むかは、サービスとプランで違います(2026年9月時点)。

サービスPDFの図や画像の扱い(公式ヘルプの説明)
ChatGPTEnterprise のプランは図も読む。ほかのプランは文字だけを取り出し、画像は使わない
Claude100ページまでのPDFは図も読む。101〜1000ページのPDFは文字だけを読む

大事な数字が図や表に入っている資料や、スキャンした紙の資料では、最初に「3ページの表の数字を、そのまま書き出して」と頼みます。正しく読めていることを確かめてから、要約に進みます。

確かめ方:原文と突き合わせる

要約の誤りは、主に次の4種類です。

誤りの種類例確かめ方
数字・固有名詞の誤り金額の桁、日付、社名、製品名原文を検索して、同じ表記があるか見る
意味が変わる言い換え「検討中」が「決定」に、「一部」が「すべて」に大事な文は、原文と並べて読む
資料に無いことの付け足し一般論や推測が、資料の内容のように書かれるページ番号をたどって、元の箇所を開く
抜け落ち条件、例外、但し書き「条件と例外だけを抜き出して」と別に頼む

当社で実際に起きた言い換えの誤り

当社の社内サーバーで動かしている生成AIで要約を試したとき、元の文の「表計算ソフトに転記している」が、要約では「手書きの転記作業」になっていました。

どちらも転記の話なので、読み流すと気づきません。しかし業務の改善を考える場面では、意味が大きく違います。表計算ソフトへの転記なら入力の自動化を考え、手書きなら紙をなくすところから考えます。要約だけを見て判断すると、打つ手を誤るおそれがあります。

別のAIに点検させる方法もあります。当社でも開発の工程では、設計やコードを複数のAIに互いに確かめさせていますが、最終的な判断は必ずエンジニアが行っています。要約も同じです。AIの点検は人の確認を助けるもので、置き換えるものではありません。

使う前のチェックリスト

  • 数字(金額・日付・数量)を原文で検索して、一致を確かめた
  • 社名・人名・製品名を、原文と照らした
  • 「決定」「必須」「禁止」などの強い言葉が、原文でも同じ強さか確かめた
  • 条件・例外・但し書きが残っているか確かめた
  • 資料に無い内容が混ざっていないか確かめた

社外秘の資料を要約するとき

社外秘の資料は、入力した内容が学習に使われない法人向けのプランで扱うのが基本です。各社の違いはChatGPTなど生成AIに社外秘を入力してよいかで整理しています。

契約で外部に出せない資料は、自社の機械の中で動かす生成AI(ローカルLLM)で要約する方法があります。当社の社内サーバーでは、2,694字の文章を約0.5秒で読み込みます。構成と実測はローカルLLMに必要なスペックと速度・電気代を実測で紹介しています。

まとめ

  • 要約を頼むときは、目的と読み手、欲しい形を伝え、要点ごとにページ番号を書かせます。
  • 長い資料は章ごとに分けて頼み、図や表が読めているかも先に確かめます。
  • 数字・固有名詞・言い換えは、原文と突き合わせてから使います。

当社では、資料の要約や分類をAIに任せるシステムの開発や、社外秘を外に出さずに要約できるAIの構成のご提案をしています。「この資料の要約をAIに任せても大丈夫か」という段階から、お気軽にご相談ください。詳しくはAI活用支援のページをご覧ください。

参考

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